当社は昭和26年の創業以来、ひがし北海道の広大な十勝平野の真ん中にある、音更町(おとふけちょう)十勝川温泉で、地域と、訪れるお客様に支えられながら営業を続けております。
当社の経営理念は、「地域を代表する温泉地の事業所として、社員全員が訪れるお客様のために正確にお役に立ち、お客様に感動と満足感を得ていただくことを最大の評価とし、その結果、地域経済への貢献となることが会社の存在意義であり、経営理念とする。」というものですが、会社経営とは社長の生活を豊かにするために行うものでは無く、字の如く「営みを経る」ために永続的に繁栄し続けなければならないものだと考えます。そのことが、理念にある、地域経済への貢献と当社の存在意義にあたります。そして、それを果たすために必要なことが、訪れるお客様のお役に立つこと、社員がお客様と真剣に向き合い、感動と満足感を提供することです。また、私は、経営理念のもと、経営者と社員それぞれの役割や権限、責任が明確な組織作りと、一方では、社員間の目線を合わせた風通しの良い企業体質づくり、より良い企業風土を推奨し、取り組んでいるところです。
私は、社員に仕事をする上で考えてほしいことは、会社に寄りかかるのではなく、自分はどのように会社に貢献できるのか、どのような存在価値を生み出すことができるのかを、常に考えて行動するということです。「仕事」というのは与えられたことを行うだけでなく、自発的に作り出すという考えのもとに取り組まなければ、訪れるお客様に真の感動や満足を提供することはできません。その行動こそが、社員としての存在価値であり、行動の結果で得たお客様の評価は、自身のモチベーションや向上心の源になります。観光業はそこで働く自分自身が「商品」であり、お客様はその商品を購入しに来られた方々です。そのような業態であることから、他の業種では経験できないことが多く得られるところが、観光業の大きな魅力だと思っています。私は、経営者に向いていると思ったことは一度もありませんが、観光産業の持つ魅力、多くの可能性や将来性を日々強く感じ、仕事を楽しみ、何事にも常にやり甲斐を求めながら仕事を続けています。
これからの社員の採用や、雇用の安定についての私の考え方ですが、地方の中小企業の現代経営では、顧客満足(CS)を得るために、社員満足(ES)の向上は不可欠です。従って、経営情報の開示、労働条件の見直し、福利厚生の充実など、改善すべき点は私の責任として、社員とともに考え、進めて参ります。また、私の望む、自発的行動社員の育成を果たすためにも、教育プログラムの導入整備を実行して参ります。
日本は今、人口減少に加え、少子高齢化が急速に進んでいます。その状況下で、国から注目され、積極的に投資されているのが観光産業です。すそ野が広いこの業態は、経済波及効果が高く、また、雇用の創出にも貢献し、消費意欲の旺盛な海外からの訪日客の受け入れについても、地域経済を活性化させています。そのように、人口減少対策には観光振興が有効な手段であることから、観光はこれからの日本を支える基幹産業として、観光立国の名のもと、国の政策の柱となっています。将来性のある観光産業の中で、当社は、温泉旅館として、日本の和文化を伝える役割を担っています。当社の仕事に就くことは、産業の成長とともに、会社や働く社員の成長に多くの可能性を秘めており、人生の新しいチャレンジの絶好の舞台となるはずです。人の役に立ちたいと思っている方、明るく、元気な方々と素晴らしいご縁があり、共に成長できる機会に恵まれますことを期待しております。